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ホーム評論・エッセイ・小説・戯曲 > 評論田沢健次郎著『緑陰通信』(りょくいんつうしん)
書籍詳細

田沢健次郎著『緑陰通信』(りょくいんつうしん)[9784781407340]

販売価格: 2,700円(税別)
(税込: 2,970円)
[【在庫切れ】]
◆エッセイ集
「秋麗」誌に五年間連載した好評のエッセイを一冊に。信州の山奥でこども時代を過ごし、四十年近い新聞記者生活を経た著者の自分史ともいうべきエッセイ集。

◆収録内容より
浩行さんたちは鎌を振り上げては若布を綱から切り取ってゆく。若布を切断する「ざくっ」という音と綱を巻き上げるウィンチの音、それと浩行さんの指示する声が舟の上に響く。鎌は短いが、振り上げては切って行く様子は、武士が刀を振りかざして格闘をしているようにすら見えて格好いい。邪魔にならない様に私は船の隅で見ていたが、若い漁師たちの動きに圧倒されてしまった。若布養殖の綱は何本も海中に伸びていて、一本の綱が終わると海に戻し、別の綱を巻き上げては若布を切り取る。
 歳時記に「若布刈る」があるが、目の前で展開されている作業を見ていると、「刈る」という言葉がその通りだと実感できた。
(「小渕浜」より)

*

[たざわけんじろう(1946〜)「秋麗」編集長]
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
322頁
2014/11/29刊行
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