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ホーム評論・エッセイ・小説・戯曲 > エッセイ廣嶋美惠子著『塗箪笥』(ぬりだんす)
書籍詳細

廣嶋美惠子著『塗箪笥』(ぬりだんす)[9784781406503]

販売価格: 2,700円(税別)
(税込: 2,970円)
[【在庫切れ】]
◆エッセイ集
「孫からのハガキ」が、野間宏の「暗い絵」とブリューゲルの絵、そして自分の「暗い戦後」を重ね、戦争の生き証人から「戦争は怖い」ことを「身辺に感じて欲しい」と結ぶ。説得力のある好随想。(「図書新聞」同人誌時評より)

◆「流光の風景」より
アメリカの爆撃機、B29の都市への空襲が頻繁になった。学校の寄宿舎は、空襲の続くなか生徒の生活の責任はもてない、と学校側の通達がある。各自が下宿をさがすことになった。私は、それまで家族と住んでいた町の町会長の家に下宿することになった。教科書、ノート、日用品と衣服に寝具類を八畳の部屋に収めた。部屋には二つの押入れがあったが、使用させてもらえたのは、一つだけであった。ふと冬の陽が柔らかく窓を通して畳に陰翳をつくるのを目にしたり、また暑い夏の日、旧い家をたずねたとき玄関の三和土のひんやりした静かな佇まいにであったとき、この下宿にいた日々が重なって切ない。下宿先の人たちは優しかった。白いごはんが、消えつつある時代、大きなお櫃には白米のごはんが、いっぱい仄かに湯気をたてていて、哀しいほど母親を思い出させた。
(「流光の風景」より)

*

[ひろしまみえこ(1928〜)「海程」「AMAZON」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装
252頁
2014.03.20刊行
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