◆第一句集シリーズ/I
屋根といふ屋根は鮫色東風荒れて
しっかりとした実景描写でありながら、屋根の下に蠢く恒久的な時空をも内蔵しているようで面白い。
(序より・佐怒賀直美)
◆自選十句
利根川と荒川の民鰻食ふ
解し田に十一月の水溜まる
馬肥えて覆水地に返りをり
阿羅漢の衆生に零す秋の水
夜来の雪腓返りに覚めてなほ
犬ふぐり咲かせ紛れもなき国土
痩案山子吾にカインの血の流る
けふの陽の落つる地平や梨の花
屋根といふ屋根は鮫色東風荒れて
葉桜にすき間なく夜の来たりけり
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[ぬまおまさゆき(1980〜)「橘」同人]
序:佐怒賀直美
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2018/10/29刊行