◆第一句集シリーズ/I
出来秋の声を届ける宅配車
日常生活や日常を取り巻く社会や自然をできるだけ今の言葉で詠みたいという内田さん。俳味と詩情の折り合いがついた句を求めてゆきたいともいう。それは私の作りたい句と同じだし、「青垣」もそのような句が目に付く。内田さんと「青垣」の相性はいい。これからますます深化するのは間違いない
(序より・大島雄作)
◆自選十句
北斎の波待つサーファー握り飯
八月や重油の匂ふ街を過ぐ
配られしレジュメで扇ぐ夏期講座
消印はパリ十六区秋刀魚焼く
旋盤のグリスの匂ふ極暑かな
新入りは赤い癖毛の案山子かな
星飛んで管制塔に人の影
狂言のやうに人逝く寒の内
卯波立つ港や鳥になりたい子
天の川クルーズ船の出る頃か
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[うちだしげる(1953〜)「青垣」所属]
序:大島雄作
跋:ふけとしこ
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2018/7/31刊行