◆第一句集シリーズ/I
八月や胸をつらぬく放射線
この句は、私の胸をつらぬき、せつなさや怒りや絶望などの強い感情が渦巻くように浮かんだのだ。
(序より・武藤紀子)
◆自選十句
桔梗の空に鼓を鳴らすべし
大楠のぐいと二股春の雪
基督に釘の大きな踏絵かな
涼しさや馬の高さに世を眺め
難破船打ち上げさうな真葛原
八月や胸をつらぬく放射線
白鳥の大きな羽音日暮来る
卒業証書空気を芯に巻いてある
庖丁のきらりきらりと梨を剥く
月皓と帰るべきとき近づきぬ
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[まかだみあ(1950〜)「銀化」「円座」所属]
序:武藤紀子
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2018/8/20刊行