[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
◆白のシリーズ
さりながら人は旅人山法師
日常の「暮しを栖」と定め、ひと日ひと日を丁寧に生きる。本書はその志を胸の裡に秘めたたおやかな一書である。
(栞より・藤本美和子)
◆自選十五句より
木の芽空魚に戻りたくなりし
而して以下同文と卒業す
ほほづきの稜うつくしき通り雨
思ひ出したくて落葉を踏んでをり
葉桜や人はかなしいとき笑ふ
鍵穴は古墳のかたち梅雨深し
秋口の人としづかにすれちがふ
秋水に浸せばわが手小さくなる
さいかちを振るや人生摩訶不思議
ままごとにかあさんがゐて草の花
*
[ふくじんのりこ(1951〜)「若葉」同人]
栞:藤本美和子
装丁:和兎
四六判フランス装カバー装
186頁
2014/09/21刊行