◆第八句集 ―白のシリーズ
柊の花にさわればわれも水
茅屋は、裏丹沢を眺める谷戸にあり、土を耕し地気を養いながらの日常座臥の日々を送っている。(あとがき)
◆自選十五句より
この星のいのちはいくつ春立てり
勝手口より純白の蝶来たり
天地黙し夜を震えている雲雀
六月来る樺美智子のことは言わず
真っ白な一枚八月の手紙
青く光る地球は一つ敗戦忌
焦土いま光の中に青山河
戦争を知らぬ蟻なり山走る
鬼やんま家を壊して出てゆけり
つくつくぼうし山より水を流す父
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[さかいこうじ(1938〜)「朱夏」主宰]
装丁:和兎
四六判フランス装カバー掛
207頁
2014/08/01刊行