[立ち読みする]
◆<みづいろの窓>神野紗希―週刊俳句掲載分(加筆訂正)
◆スピカで野口る理さんが鑑賞を書かれています。
かりそめの踊いつしかひたむきに
第62回 読売文学賞を受賞!!
週刊俳句 Haiku Weeklyに神野紗希さんが句集評を書かれています。
週刊俳句時評第13回
ユニットの時代?―大木あまり『星涼』を読む―
◆第五句集
きちきちと鳴いて心に入りくる
大木あまありの俳句にある<手触り>、それは物の、生活の、季節の手触りだ。その手触りはぶれることがない。この作者におけるはかり知れない混沌も思念も無常も、すべてはこの手触りの背後からしめやかな顔をして私たちの魂に触れてくるのだ。
◆自選十五句より
?杖や土のなかより春はくる
鳥籠に青き菜をたし春の風邪
田中裕明紛れをらむか雛市に
たんぽぽや鈍器のやうな波が来る
蝶よりもしづかに針を使ひをり
身をよぢる月の柱の守宮かな
願はくは滴りこそを死水に
握りつぶすならその?殻を下さい
かりそめの踊いつしかひたむきに
草原に舟をつなぎて世阿弥の忌
*
[おおきあまり(1941〜)「星の木」同人]
装丁:山岡有以子
四六判フランス装カバー
196頁
2010.09.29刊行