◆平成俳句の可能性
俳人の数だけ「俳句の本質」がある、という時代
個々の真理の集合体のアンソロジー
初句索引・人名索引付き
◆解説より
「平成無風」という言葉があります。これは平成期において昭和の頃のような論争が失われ、まるで凪のように穏やかだった平成俳壇の様子を揶揄する言葉として知られています。確かに振り返ってみると平成期には俳句史に残るような本質的な議論や俳句論があまり見当たらないようにも思われます。けれどもそれは昭和期に議論された「俳句の本質」なるものが失われたことを意味しません。むしろ、そうした「本質」が相対化され、俳人の数だけ「俳句の本質」がある、とされた時代だったと言えるでしょう。
[たじまけんいち(1973〜)「炎環」同人・「豆の木」「オルガン」参加]
装丁:君嶋真里子
四六判変形並製カバー装
240頁
2025/01/17刊行