◆揺るぎない完成への道
三六五句の
芭蕉の弟子達が求めた
揺るぎない
完成への道
365日シリーズ最新刊!
◆1月1日
日の春をさすがに鶴の歩みかな 其角
「日の春」は、「今日の春」の略で、元日のこと。この其角の造語について、師である芭蕉は「春の日」か「立春は」とするべきではないかと指摘している。とはいえ、「日」には眩しい初日の出のイメージも重ねているのではないか。だからこそ、鶴」の白さが際立つのであり、「春の日」では初日のかがやきが埋もれてしまう。めでたい新春にふさわしい、堂々たる鶴の歩みを詠み、名吟の風格がある。石田波郷に「吹きおこる秋風鶴を歩ましむ」(『鶴の眼』昭和十四年刊)があるが、対照的だ。波郷の鶴の寄るべない歩みには、現代人の憂愁が潜む。其角の鶴は、新春の喜びに晴々と胸を張っている。(「丙寅初懐紙」)季語=日の春(新年)
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[たかやなぎかつひろ(1980〜)「鷹」編集長]
装丁:君嶋真理子
四六判変形並製カバー装
234頁
2019/7/7刊行