◆第七句集
世の中は何が起こるか分かりません。大きなしあわせとは無縁だった自分は、晩年に至り、自分の句業を纏めるという喜びを知ることとなりました。
(あとがき)
◆自選十五句
初富士は天に与せず地に倚らず
播州の春は里から抜かりなく
学び舎へ遅日の道は白く細く
丸顔は花見の客と見做さるる
父親は粗目の砥石こどもの日
生き生きて巨樹千年の青時雨
さりとても手柄話の無き帰省
廃線は晩夏の先へ延びてをり
あなどれぬ台風生後三日とて
とことはに夜は日を追ひ破蓮
草の穂を風の粗忽が吹き残す
枯蓮へ死は一枚の素紙のごと
ドア時に人生の岐路ずわい蟹
貧困に寒き磁力のやうなもの
明日はどの面を下げむと大晦日
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[こうちふみお(1949〜)「銀化」同人]
装丁:君嶋真理子
菊判変形上製カバー装
226頁
2025/020/20刊行