◆第一句集
それにしても舌鋒鮮やか。これがほんの二、三年での達成であるから、新人としてもて囃される時期などなかった。既にして熟練。彼は〝只者〞ではない。「銀化」に軽い気持ちで誘ったのは誤算だった?それとも、今後の「銀化」の太い屋台骨になる?あとで私は先見の明があったねと言われたいと思う。どちらにしても巨大な鉱脈に打ち当たった感触がある。
(中原道夫)
◆「美知加計」十句選
足先を斥候に出す初湯かな
水虫お主もなかなかやるよのう
すさまじや心の縁に畳み皺
天や火の上に火つくりどんど焼
紅梅はうみ白梅はやま似合ふ
消すために書く黒板や鳥雲に
晩学はすなはち初学梅ひらく
見栄もまた心の砦ほととぎす
父の日はいつしか偲ぶ日となりぬ
せうそこの絶えてひさしや花氷
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[こうちふみお(1949〜)「銀化」同人]
序:中原道夫
装丁:中原道夫
菊判変型ハードカバー装
216頁
2020/3/22刊行