◆第四句集
もしかすると自分でも気づかないうちに、自己のオリジナリティを獲得していく経過が記録されているのかも知れません。
(あとがきより)
◆自選十五句
初夢の消ぬる速さを如何にせむ
涅槃図に役割不明なるやから
すずめ蜂霊長類を蹴散らしつ
どんたくや顎は人を唄はしむ
ふらここに年齢不問なる度量
花冷えは水の硬さにまで及ぶ
修司忌の空へ突抜け井戸の底
黒潮の丈はおほむね夏のはば
来し方は苗ゆくすゑは余り苗
汗といふ極めて個人的な事象
台風の試歩や赤道ふみはずし
新蕎麦を一気に手繰る呵成かな
末枯や木よりも鉄の朽ち易し
世に生を享け此の方の大くさめ
太郎より次郎はや起き垂り雪
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[こうちふみお(1949〜)]
装丁:君嶋真理子
菊判変形上製カバー装
226頁
2022/05/08刊行