◆第一句集シリーズ/I
シンママの財布の小銭秋麗
ひとたび俳句を身にまとえば、世界はいつも俳句とともにある。さまざまな材料が季語を仲立ちとして南さんの新しい世界を構成していく。
(序・小川軽舟)
◆自選十句
初蝶や子を失いし日の近く
若緑和紙に臍の緒乾きをり
ひらがなのいるかのにおい夏の雨
空蟬のごと息を吐き祖父逝きぬ
夕空に素数の蟬を放ちけり
二回目のヘアドネーション夏の果
水澄むや君にひとひら投函す
ひとりしか産めないからだ冬の月
看板の剝げかけの S 冬の雲
音のなき世を振り返り雪女
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[みなみさつき(1982〜)「鷹」同人]
序:小川軽舟
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2020/8/1刊行