◆第一句集シリーズ/II
桜餅葉っぱで隠しきれぬもの
俳句らしくないのだ。高校の国語科の教師である静さんには、俳句らしい俳句が十分に分かっている。分かったうえでの逸脱、あるいは変態が、彼の優しい詩だ。
(解説・坪内稔典)
◆自選十句
流氷の辿り着く日の割れせんべい
双眼鏡ひっくり返して昭和の日
ががんぼの気持ちを百字で述べなさい
静岡市葵区イクイク青葉風
ホルモンをかむかむかんで梅雨明ける
天の川視力0.4 なりに
月を描くヒゲを付けたくなって描く
つぶやけばつぶやくほどに葡萄つぶ
かれのからのがれのがれているのかれ
ひとマカロンふたマカロンと春隣
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[しずかせいじ(1966〜)「船団」所属]
解説:坪内稔典
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2020/7/26刊行