◆第一句集シリーズ/I
ふぢつぼのあまたくぢらの目のまはり
透徹した眼を感じる。森羅万象に関心が向けられ、それぞれくっきりと映像を結ばせている。それぞれ眼をもって触れる感じもある。描写が触覚的なのだ。
(序・小澤實)
◆小澤實抄出
冴返る明朝体の止めと撥ね
使ひ捨てカイロ固まる毛羽立ちて
鵜篝に火の粉や薪乗せたれば
氷柱の芯白濁したりまはり透け
さくらはなびらうらおもてありふれみれば
白き息混じり合ふなり汝と吾と
腹と腹合はせ授乳や明易き
足踏みポンプにビニールプール立ち上がる
おはやうの「は」より出でくる息白し
咳の子の咳きつつ言ふや今日のこと
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[もりしたしゅうろ(1976〜)「澤」同人]
序:小澤實
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2019/9/20刊行