◆第一句集
同級のをぢさんバンド山笑ふ
真実が宿るものを詩と呼ぶならば、これらは詩である。私たちはこんな風に暮らしているのだなあ、としみじみ思う。ぼおと照り映える〈富有柿〉という詩。
序より・加藤かな文
●自選十句
寒明のぴんと跳ねたる真鯛かな
平凡な会話机上のシクラメン
万緑や子は堂々と二児の父
柿の花柿のかたちをしてをりぬ
駐車場どこにもなくて蝸牛
富有柿赤子ころんと寝返りす
鰯雲大股になる散歩かな
小春日の手旗誘導入港す
ごつき手のほれ持つてけと大根引く
エッチングのごとき木立や冬の水
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[こだまひろこ(1956〜)「家」「円座」同人]
序・加藤かな文
装丁:和兎
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2020/10/25刊行