◆新進気鋭の俳人・村上鞆彦の鑑賞が光る、芝不器男俳句への格好の入門書!
永き日のにはとり柵を越えにけり(大正十五年)
不器男の句で最も人口に膾炙しているもののひとつ。うららかな太陽の下で起こった珍事が、淡々と叙されている。この句について不器男自身が書いた文章が残っている。「いい作と自惚れるのではない。おれはこれがおれの道だと思ふ。愚鈍者の聚合せる俳壇なんといふものにまぜつかへされてたまるものか。この句を落す選者の不明を顧みる勿れ。おれがおれの信ずる通りにすゝめばいい」(「偶感」より)。端正で温雅な作風からは想像できないほどの強い言葉が並ぶ。自信、熱意、矜持。不器男の内心にはまぎれもない二十代の若さが充ちていたことを知る。
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[しばふきお(1903-1930)]
[むらかみともひこ(1979〜)「南風」主宰]
装丁:和兎
四六判変形ソフトカバー装
220頁
2018/08/25刊行