◆シリーズ最新作
心掛けたのは、季語の実感を大切にすること――
はや虫の声を聞く夜となりにけり
昼間はまだ残暑が厳しいというのに、夕方になると蝉と入れ替わるように青松虫が鳴きだす。去年も今頃から虫の声を聞いた。
2015/8/19(水)
◆あとがきより
九月十四日に〈けふの花昨日の花や酔芙蓉〉という句がある。その名の通り、開いたときは純白の花がしだいに赤みを帯び、夕方しぼむころには桃色になる。しかし、すぐに落ちてしまうのではなく、色を深めて一日茎にとどまり、次の日に落ちていく。そうして毎日順番に咲く花。私の日常もこんな連続で、一昨日のことなど大方記憶から抜け落ちている。平凡な日々を象徴する花のように思われ、タイトルを「昨日の花 今日の花」とした。
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(ふらんす堂「編集日記」)
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[かたやまゆみこ(1952〜)「狩」副主宰]
装丁:和兎
四六判変形上製カバー装
388頁
2016/6/1刊行