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◆豈weekly@閑中俳句日記(28)
岸本尚毅句集『感謝』
◆週刊俳句 Haiku Weekly 第189号
・「岸本尚毅句集『感謝』評」として生駒大祐さんが書かれています。
・「虚子的安心感」として藤田哲史さんが書かれています。
◆第四句集
第三句集『健啖』以後、十年間の作品から四百句を収録。
平成十年秋から平成二十年春にかけての作品から四百句あまりを拾った。田中裕明主宰の選を経て俳誌「ゆう」に発表した作品も収録。
(あとがきより)
◆自選15句
ときじくのいかづち鳴つて冷やかに
日沈む方へ歩きて日短
初寄席に枝雀居らねど笑ふなり
寒々と赤々と正一位かな
秋晴の押し包みたる部屋暗し
日高きに早や夕ごころ山桜
水の底突けば固しや水澄める
焼藷を割つていづれも湯気が立つ
暖炉に火なし一切は遺品にて
その妻のこと思はるる不器男の忌
テキサスは石油を掘つて長閑なり
現れて消えて祭の何やかや
ある年の子規忌の雨に虚子が立つ
さういへば吉良の茶会の日なりけり
面白くかなしく遠く涅槃かな
*
[きしもとなおき(1961〜)「天為」「屋根」同人]
装画:Jean COCTEAU “Profil d’Orph?e aux lauriers”, 1958
(C)ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2009
装丁:柚子谷七月子
四六判変形並製カバー装
168頁
2009.09.27刊行