[立ち読みする]
■スピカで野口る理さんが鑑賞を書かれています。
鵙の野に鉄塔エレキ通はする 川端茅舎
吹かれ来し野分の蜂にさゝれたり 星野立子
◆「選は創作なり」の真髄に迫る!
虚子選の自由闊達さと間口の広さが理解されるように、出来るだけ多様な作者・作品を取り上げることに努めました。現在ではあまり知られていない作者が、大家と遜色ない作品を雑詠選集に残している場合もあります。そのような句を見出すことも、雑詠選集を読む楽しみの一つです。(著者:解説より)
◆001
百僧の愁の秋や逝く聖 茶の門
『ホトトギス雑詠選集・秋の部』の一句目の句である。「聖」とは諸国遊行の僧だが、この句では大きな寺に属し、多くの僧から慕われている高徳の僧と解する。
「逝く聖」は、すでに息絶えた状態か、それとも、今にも息を引き取ろうとしている状態か、字面からは厳密に決め難いが、一句に漂うただならぬ緊迫感からすると、命終を目前にして横たわっている高僧を、多くの僧が取り囲み、愁いに沈んでいる状況を想像したいと思う。
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[きしもとなおき(1961〜)]
装丁:和兎
四六判変形並製カバー装
220頁
2011.12.10刊行
●同じ著者によって
『自句自解ベスト100 岸本尚毅』 定価1575円(税込み)
『ホトトギス雑詠選集 冬』 定価1575円(税込み)近刊予定