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第七句集。
句集名は集中の「蝶に会ひ人に会ひ又蝶に会ふ」からとった。
よき師に恵まれ、又多くの方々の支えを受けて来たことに心から感謝している。今後も、命のある限り、花鳥諷詠・客観写生の道を一筋に進みたい。(著者)
●自選十五句
雑木中紋白蝶のゐる遠さ
白雲のまぎれ込みたる野梅かな
ややおくれ峰の桜の今年又
雲白く泰山木の花みどり
とつぶりと暮れて川あり鮎膾
葉桜となるに間のある葉のそよぎ
七夕や空手にはげむ孫娘
真葛原花をひそめて香りけり
銀漢や胸に生涯師の一語
これほどの旱つづきに秋の月
ふくれたるところより餅ふくれけり
降り止んで眺めるほどに庭の雪
はなびらのまはりは闇や石蕗の花
次男から長男からのお年玉
老いてなほ基本大切初稽古
2009/03/05刊行