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第21回詩歌文学館賞受賞!
◆現代俳句叢書シリーズ
句集『余光』につぐ第六句集である。季刊誌「珊」に前年度の同季の句を30句づつ発表しており、それをもとに、平成九年秋から十三年度冬までの四年半の句をまとめると三百五十句となった。
日陰より眺め日向の春の水
私の七十代後半の句で、多くの方の支えにより、私なりの花鳥諷詠、客観写生の道を歩むことが出来た。
(あとがきより)
◆自選十五句より
朝顔の大輪風に浮くとなく
家訓とてなくて集まる二日かな
野遊の弁当赤き紐ほどく
汗の玉冷たく胸をつたひけり
気配して日のかげりたる草の花
真ん中の棒となりつつ滝落つる
どこそことなしに一気や彼岸花
社運かけ二十数名初詣
先生は大きなお方龍の玉
曇天のひとかけらづつ辛夷散る
傾ける枝に傾き朴の花
春蝉の声一山をはみ出せる
ゆるむことなき秋晴の一日かな
奥までも幹に日当る枯木立
冬桜残んの花といふさまに
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[ふかみけんじ(1922〜)「花鳥来」主宰 「ホトトギス」「珊」「屋根」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装函入り
210頁
2005.02.10刊行