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栞・櫂 未知子
帯・高野ムツオ
跋・佐藤きみこ
白鳥の声が星座をずらしけり
自らの命のありようを確かめるかのように放たれた白鳥の声に、凍る空に組まれていた星座が、すぐさま応え、天空の座位をずらしたというのである。今という限られた時間を必死に生きる白鳥と永遠の輝きを放つ星座との一瞬の出会いが言い止められている。(高野ムツオ)
●自選一〇句
落款の鬼がちょこんと春を待つ
川近く住みて一人の夕桜
道草の少年やごになっていし
雨の隧道くぐり山椒魚となる
水音や蝗も神を恃みとす
真菰田の枯れて手鏡ほどの水
その先は子が書き足して冬の虹
白鳥の声が星座をずらしけり
トプカプの金のゆりかご昼寝覚
玉葱の断面に渦わが未来