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帯・小川軽舟
栞・星野高士
夕ざくら母を他人に預け来し
志田さんは俳句の中で真顔を見せることが少ないのだけれど、この句はどうだろう。施設に母を預けたことを、他人に預けてきたと感じる身内としての思い。母のいない家で風呂を洗い、洗濯物を取り込み、夕飯の支度をする。ふと桜を見上げたその顔を、私はとても美しいと思う。小川軽舟(帯より)
●自選十句
寺の子に僧の名を聞く春火桶
雪女郎見しより誰も愛せざる
星凍つる音秀峰に耳二つ
霧の国境ヘッドライトの散乱す
大いなる凍空に山片寄れり
雪解風靴屋のジョンは戦場に
初山河仔馬の気性激しかり
流れつつ日にまみれつつ水澄めり
助手席に乗る猟犬や夜明前
涼しさは淋しさに似て舟に乗る
●目次
序・小川軽舟
寺の子 昭和57年〜62年
霧の国境 昭和63年〜平成4年
初山河 平成5年〜16年
夕ざくら 平成17年〜20年
あとがき