書籍詳細

高木一惠句集『馬の子に』(うまのこに) [9784894024667]

販売価格: 2,700円(税別)

(税込: 2,970円)

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◆第二句集
<歌掛けし柱や雨のほととぎす>
 「寂光院焼失」の前書きがある。
 一句の中で、連句の付け合いを生かした手法の成功例として、注目したい。
 「歌掛けし柱」が、前書きに依って、紅蓮の炎に包まれる一瞬を垣間見せる。
 出だしを切字できっぱり切って、平穏寧日の柱の姿をまず浮かびあがらせる。その上で炎を呼ぶ息をのむ瞬間が重なるのだ。
 連句の捌きの心で、句中に付句も取り込む形といってよい。結句の「雨のほととぎす」に、すでに炎はない。一過の白昼夢の如きインターバルを置いて、このフレイズが出現する。
 作者が眞鍋呉夫さんから会得した手法といえよう。句集に異例な歌仙を加えたゆえんでもある。
(序より:倉橋羊村)

◆収録作品より
猫の子の遊びをせむと生まれけり
流木やつばくろ腹をひるがへし
実石榴の種はカインの歯の如し
動物度嗅がれて寒き檻の前
オカアサンナンカシンジャエ息白し
感応式信号冬の灯をともす

*

序文・倉橋羊村
題字・金子兜太
装丁・伊藤鑛治
四六判フランス装(函装)
203頁
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