◆第五句集
水渡り来し一蝶や冬隣
大自然の循環の中に生きる全てのものへの祈りの心をもって作句していきたい。
(著者)
◆自選十句
光陰のなだれ落ちたるさくらかな
父と居る時間みじかし花は葉に
草蜉蝣苔の雫に生まれけり
母あればこそのふるさと十三夜
新雪のずずと沈みてとまりたる
雪の夜の尿瓶にいのち響きけり
葉の形して葉を落つる氷かな
熊捕りし夜は熊荒れの山が鳴る
挽歌みな生者のために海へ雪
狐火の映りし鏡持ち歩く
修二会僧闇踏み破り走りけり
雛の日の干潟に太き潮の道
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[いぐさけいこ(1959〜)「秀」「星の木」所属]
装丁:和兔
四六判上製カバー装
214頁
2024/10/22刊行