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瀧の面をわが魂の駈け上る
既刊10句集より精選380句を収録。
第9句集『めんない千鳥』にて第40回蛇笏賞を受賞した著者の精選句集。ホトトギス俳句の伝統を守りながらも、艶麗典雅にして自在なる境地をひらく。
『心の花』は私にとって、愛する作品たちと訣別の句集。生涯多くの句の中から、ほんの一と抓みしか残せなかった句集。捨てて置き去りにした俳句の憾みが犇々と胸をかきむしる。別れが辛いのである。分っていながら敢えてそれをしてしまった私。せめてここに残った三百八十句だけでも、末長く活躍してくれることを祈るばかりである。(あとがき)
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[ごとう・ひなお(1919〜2010)]
栞・寒川猫持
装丁・君嶋真理子
A6判フランス装
84頁
2006.7.1刊行