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【俳句四季大賞(第2回)】
◆ 新シリーズ ふらんす堂現代俳句叢書 第一回配本!
平成八年から平成十二年までの作品を収録。
前句集『庭詰』に次ぐ待望の第八句集。
<ここへ来て佇てば誰しも秋の人>
以前は、自然が美しいから、四季が美しいから、日本語が美しいから、私は俳句が作りたいのだと信じていた。いまもその思いに変りはないが、近頃はそれよりも、何もかもがいとおしいから俳句に携わっているという感じが濃くなった。美しくないものはなるべく詠まないようにしてはいるが、美しくないものは、よけいにいとおしいような気がする。著者(あとがきより)
◆自選一五句
山茱萸の黄を春色の出入口
一落花琴線を掻き鳴らしたる
助六は凧となりても傘挿せる
村長の賞めて食べたる朴葉鮓
風蘭の花が梵字を覚えたる
二三枚水母が泳ぎ海ゆらぐ
三門を敲くはつきり芋嵐
草虱には親愛の情余る
ここへ来て佇てば誰しも秋の人
沙羅紅葉来世明るしとぞ思ふ
臘梅の花臘梅の花を透かす
像を見る人と別れて落葉踏む
雪がちらつけばと思ふルミナリエ
冬木より静かに息をすること得ず
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[ごとうひなお(1917〜)「諷詠」名誉主宰]
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装函入り
238頁
2001.06.30刊行