[立ち読みする]
◆2011年にふらんす堂のホームページにて短歌日記の連載が一冊に。
永田淳の365日。
◆何かを言おうとしなくていいのだ
そしてまた湖をさがしにゆくだろうこくりと骨を鳴らしてのちに
私にとっての「湖」とは琵琶湖、そしてそれに連なる数個の内湖のことに他ならない。私の住む洛北岩倉から琵琶湖へは、車で三十分も走れば着いてしまう。山を越えれば、すぐそこに圧倒的な水の塊が在るという安心感は、大きい。琵琶湖は量感があって謐かで、そして昏い。そうした水の質量が背後に、あるいは傍に常に存在するということが、どこかで自らの成立ちや歌作りの根っこになっているようにも思っている。
(あとがきより)
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[ながたじゅん(1973〜)「青磁社」代表]
装丁:和兎
四六判変形上製カバー装
390頁
2012.08.24刊行