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風が吹くたびに 大きな マロニエの枯れ葉が 降ってくる 広い公園の隅で 忘れられた パラソルのように 回転木馬が 止まっている…。「海辺の詩」「夜」「雨の日に」「四季の詩」の4章から成る第10詩集。
風が吹くたびに
大きな
マロニエの枯れ葉が
降ってくる
広い公園の隅で
忘れられた
パラソルのように
回転木馬が
止まっている
退屈な番人は
時々
幼い娘を木馬に乗せて
遊ばせている
どこからも
音楽は聞こえない
午後になっても
お客はなく
木馬は
渇いていた
(本文より・回転木馬の秋)
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●著者略歴
片桐 英彦
1942年佐賀県唐津市生まれ。九州大学医学部卒業。詩誌「GAGA」「PARNASSIUS」同人