[立ち読みする]
◆ふらんす堂編集日記
■週間俳句で三宅やよいさんが書評を書かれています。
『ロマンチックかつ現実的、少女のようでシビアな大人』
◆待望の最新句集!
未だ逢っていない俳句を呼ぶ。
待つ。
それは祈りに似ていた。
◆自選*一五句
気がゆるむたびの出目金魚ごこち哉
八月来る私史に正史の交わりし
立秋暑し昭和史写真集モノクローム
よし分った君はつくつく法師である
こっちこっちと月と冥土が後退る
きぬかつぎ嘆いたあとのよい気持
永き夜の可もなく不可もなく可なり
冷えてきて立ちぬ灯して坐りけり
風邪気味のたのしいのんべんだらりかな
初明り地球に人も寝て起きて
暖房や延期をすると老けてしまう
春浅しどちら傷つく岩と波
嗚呼と言うたびに舌古る桜散る
使い減りして可愛いいのち養花天
俳句思えば徐々に豪雨の吊忍
*
[いけだすみこ(1936〜)「豈」「船団」「面」所属]
装丁:和兎
四六判並製カバー装
212頁
2011.07.31刊行