[立ち読みする]
●11番目の句集
この『水のかたまり』の作品が書かれた時期、私は日本全国のカバを訪ねる旅をしていた。カバと俳句、この両者に特別な関係はないのだが、関係のない両者にかかわることで、私はある種の調和というかバランスのようなものを感じてきた。意外なものを取り合わせるのは俳句が伝統的に得意としてきた手法だが、その手法を無意識のうちに使って私は「カバ」と「俳句」にかかわってきたのかもしれない。つまり、私はすっかり俳人になっているのだ。
(あとがきより)
七月の水のかたまりだろうカバ
友情はメロンパンだよ嵐山
初蝶の黄色あなたがこぼしたか
雪が来るコントラバスに君はなれ
[つぼうちねんてん(1944〜)「船団の会」代表]
装丁・山田朝子
菊版変形上製カバー装
130頁
2008.05.20刊行