[立ち読みする]街をテーマに、新しいかたちの短歌入門。街は、さまざまな影をとどめている。人々のぬくもりをやどし、鳥やけものの悲しみを映しだす。街のかたすみで草はほほえみ、花はしずかに頭を垂れる。近代から現代にいたる都市に刻印された記憶が、短歌になっていま、甦る! 「近代」「戦後」、そして「現在」という三つの時間の核を、それぞれ自由に行き交いながら、短歌の万華鏡の奥にある、多面体の「都市」をのぞいていこう。そこには、短歌という短詩型の精神の歴史も秘められているかもしれない。(著者) ●著者略歴 1977年大阪府生まれ。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了(比較文学)。春日井建に師事。現在「未来」、[sai]、「鱧と水仙」に参加。第一歌集『黒耀宮』にて第11回ながらみ書房出版賞受賞。他に共著『現代短歌最前線 新響十人』。現代歌人協会会員。