◆現代俳句文庫
着ぶくれし身をつらぬいて足二本
◆収録作品
『対岸』(抄)
『約束』(抄)
『週末』(抄)
『高音』(抄)
『晴天』(抄)
『仲間』(抄)
◆収録作品より
凍瀧が吾が目にあふれ空にあふれ
海の上なる揚雲雀暮鳥の碑
分校は四方の山の笑ふ中
小さく膝とぢ試験場に吾子もゐる
落ちてなほ月の光の一葉かな
十月の雲より薄し朝の月
造花なめる冬蠅の音のある如し
凧を手に祖母を埋めに行く子なり
馬なでし布もて己が汗も拭く
故郷遠く一番星は蜘蛛の囲に
*
[いませごういち(1936〜)「対岸」創刊主宰 現在社団法人俳人協会会員]
解説:能村登四郎 塚本邦雄
装丁:スタジオ・ギブ
表紙写真:武内理能
四六判ペーパーバック
104頁
1994.12.20刊行