◆第二詩集
父の血と母の血から新しい生命が誕生し、父の血と母の血は子供たちの血のなかで、連綿と生き続けている。この壮大な血の流れのなかで、有限のときを刻む人間が、遠い憧れときらめく光の穂先に包まれて、人を愛おしく思うその瞬時に、眩いほど生命がひかり輝く。
(著者)
遠い記憶のそのなかで、朧げに霞む
お母さんの微笑みは
青いインクと白い紙に滲みでて
言葉にならない 白百合のようだった
(「青いインクと白い紙」より)
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[なつこうへい(1950〜)]
装丁:君嶋真理子
B6判ペーパーバックスタイル
74頁
2004.10.05刊行