◆第九句集
だんだんに一年早し日短か
俳句があって私の人生に幾分の花が添えられたとの思いも内にあります。
(あとがき)
◆作品抄出
レコードに一本の溝敗戦日
敬老の日の翌日のご老人
水平線は少し曲線冬がすみ
芭蕉忌を修し鴎の目と逢へり
烏瓜の花にはとりも夢を見る
餡パンの中の隙間やさくらさくら
地球儀の斜め上なる冬の蠅
初薬師目薬の木を買ひにゆく
行く春や自転車は漕ぎ船は浮く
裏道に抜けて帰りぬ年の市
鳥雲に電柱のなき街を過ぎ
父の日の父を思へば母の顔
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[くわばらさぶろう(1933〜)「犀」代表]
装丁:君嶋真理子
A5判変形並製小口折表紙
120頁
2023/09/18刊行