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“彩”をテーマ全作品より自選304句収録。
◆ふらんす堂文庫
深い詩情を湛えた名品の数々。清潔なエロティシズムに溢れ、艶やかな光彩を放つ。
◆収録作品より
木洩れ日のむらさき深く時雨去る
梅林を額明るく過ぎゆけり
朝光に紅薔薇愛し妻となりぬ
短日の薔薇白々と夫遅き
春ふかく芋金色に煮上りぬ
激情あり嶺々の黒きを見て椅子に
風青し寝椅子にパイプころがれる
ひとづまにゑんどうやはらかく煮えぬ
漕ぐわれに水のゆたかさばかりなる
女の心触れあうてゐて藤垂るる
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[かつらのぶこ（1914〜）「草苑」主宰]
栞：杉森久英
装丁：千葉皓史
A6判フランス装
80頁
1990.05.25刊行
