◆鷹同人自註句集シリーズ
「鷹」に入会した昭和51年から平成16年までの句をまとめた自註句集。
◆収録作品より
熊蜂の翅音二上山まだ覚めず
でこぼこの道を運ばれ来たる柚子
愛鷹山の雲の近きを耕せり
極道の果の南瓜と思ひけり
種屋にて咲く過ちを犯しけり
雪に置く裸電球なま臭し
覚めてゐる春暁の手のおきどころ
靴べらの赤くて金魚死ににけり
まくなぎの罵る声に出合ひけり
霜の縄声のかすれの昨日より
＊
[よしぬまとうがい（1919〜）]
装丁：君嶋真理子
四六判変形並製カバー装
132頁
2004.10.29刊行
