[立ち読みする]
東海の松より高く恋雀 よく見ると、自然には不思議や驚きがいっぱいある。吟行するたびに新しい発見に出合えるのが喜びだという著者が綴る、第二句集。
あめんぼう跳ねたくなりし水の張り
万緑の中なる墓に大人と刀自
終の地を八千代と決めて虹仰ぐ
末黒野の中の無傷のつくづくし
滴りを森の声としひざまづく
かるの子かにほの子かさざなみがくれ
水になれず月にもなれずくらげかな
かげろふにひとりひとりのふたりかな
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装
●著者略歴
1943年7月12日山口県下関市に生れる。1966年広島大学教育学部卒。1976年大野林火主宰「浜」入会。1981年俳人協会会員。同年度「浜」賞受賞。「浜」同人。1991年第一句集『雪降れ降れ』上梓。同句集により第15回俳人協会新人賞受賞。1994年大串章主宰「百鳥」創刊編集同人。俳人協会理事。1997年第3回「百鳥」鳳声賞受賞。