第1回俳句四季大賞受賞!
◆逢ひたくて蛍袋に灯をともす
「うしろの正面」「夏満月」「新涼」「神楽殿」などをはじめとする、7章で構成した句集。虚脱喪心の日々を経て、新たなる俳句への出発の意を込めた、第一句集以降13年間の作品を収録。 亡き師・原裕への哀悼の意をこめて御前にささぐ第二句集。
◆本書より
砂浜を少し焦がして海開き
ポンペイの蜥蜴はいつも濡れてゐる
新涼の馬ふりかへりふりかへり
纏足のむかしありけり円座柿
オーストラリアまでついてゆく龍の玉
太古より壺は壺形初明り
大空の橋は使はず揚雲雀
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[いわぶちきよこ(1936〜)同人誌「ににん」代表]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
190頁
2000.08.10刊行