[立ち読みする]
平成9年までに刊行された川崎展宏の既刊五句集の中からおよそ100句あまりを選出し、それぞれの作品に評釈を加える。目次は春・夏・秋・冬の部立てに応じて全句を一覧に、更に季語を太字にすることにより索引も兼ねる。
◆ 百花繚乱の百句を評釈
本書の念願とするところは、これを一つの機縁として、川崎展宏の俳句作品が一人でも多くの方々の眼に触れ、いわば、俳句を愛好する人々の共有財産となること、ひたすらその一点に尽きる。・目次は、春・夏・秋・冬の部立てに応じて、本書収録の全句を一覧できるようにした。更には季語を太字にすることによって、目次が、一種の索引を兼ねるようにしてある。読者は、季節または季語によって好みの一句を随意に選択し、本書のどこからでも自由に読み始めていただきたい。
著者(あとがきより)
< 高遠の桜をおもふ眉のうへ >
・・・そこで、川崎展宏がこの作品の中で行なったことは、なまじの客観写生を断念し、城山の「高」きにあって東京からは「遠」くに咲く桜を、瞑目しながら、「眉のうへ」の虚空に思い描くことだった。むろん、妄りに用うべき表現の手段ではない。が、この作品の場合は、「高遠の桜」という言葉の喚起力に全幅の信頼を置き、作者としては一歩身を引く姿勢を取っているからこそ、さなきだに位の高いこの桜を、いよいよ以て品格の高い桜と成し得たのではないか。・・・
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装丁・山崎登 四六判ソフトカバー装 177頁