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◆必読入門書
既刊句集より自選ベスト100句に解説をつけた入門書。
代表句が網羅され、それがどのように生まれたか知ることができる魅力的な一書。
巻末に「俳句 このむつかしいもの」という題で、ご自身の俳句作法が、味わい深い文章で記されています。いかに俳句というものと格闘して来たか、それを知ることもができるのも勉強になります。
入門書としては必須アイテムのシリーズです。
[ブログ「編集日記」2013年12月4日]
◆1 花おぼろとは人影のあるときよ
阪急宝塚駅から歌劇場まで、花の道があって雪洞が吊されていた。その道の尽きるあたりに数本の楓があり、楓にも雪洞が吊されていたので、まず「楓にも花のつづきの雪洞を」という句が出来た。夜桜を見る会であったが花冷のする夜で、人通りも少く桜がちぢかんで見えた。そんな所へ若い男女が現われた。花おぼろという言葉が頭を掠めたのであった。(『初心』昭和二十九年)
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[ごとう・ひなお(1917〜)「諷詠」名誉主宰]
装丁:和兎
四六判変形並製カバー装
218頁
2013.12.12刊行