[立ち読みする]
■週間俳句で生駒大祐さんが書評を書かれています。
『境界』
■スピカで江渡華子さんが鑑賞を書かれています。
この星のまはること滝落つること
◆第二句集
さむさうなあたたかさうな巣箱かな
対中さんの俳句から読みとれるのは、たっぷりと水を湛えた湖の、静かな真水の気配である。その印象はこのたびも変わらない。ひんやりとつめたい真水の清らかさをこの集のいちばんの個性と思いつつ、もう一方で惹かれるのは、詠まれた生き物たちの命の温もりである。
(栞より:正木ゆう子)
◆自選十句より
まつすぐに山の雨くる桐の花
人にまだ獣の匂ひ風花す
青梅や母とふたりの箸洗ふ
月繊きことも水鳥引くことも
大き葉の下にこはれて紅蓮
子の靴の砂出してゐる桜かな
雷のあと鴉大きく鳴きにけり
蔓も実も莢も月光圏のもの
踵より砂に沈みて涼しさよ
ワタクシハ猫派デ鷹派秋の風
*
[たいなかいずみ(1956〜)「静かな場所」代表 「椋」同人]
栞:正木ゆう子
装丁:和兎
四六判フランス装
206頁
2012.07.07刊行