[立ち読みする]
第35回横浜詩人会賞受賞!
◆ユーモア漂う一冊
魚釣りが大好きな著者が、釣りにまつわる詩ばかりを書いたもの。個人詩誌『釣果』に発表した詩を中心に未発表も含め一冊に。
詩と赤糸で結ばれている川端進さんは、一方で透明な糸で釣りと結ばれている。その釣果ならぬ詩果は手ごたえずっしり。そして現代、詩を書き釣りをする二つの幸せとちょっぴりの不幸せを、ほらと示す。この詠人知らず・釣人知らずのユーモア漂う一冊から、あなたは何を釣り上げる?
(帯文より:川崎洋)
川端進詩集『釣人知らず』は釣りを主題とした詩集だけど、釣りに興味のないひとでもおもしろく読むことができる一冊だ。なんとなれば描かれている釣人の心理と生態は決して特殊ではなく、人間存在の普遍だからなのだ。
(栞より:中上哲夫)
◆収録作品より
とんび
とんびが輪をかきあっている
空を背にして
夫唱婦随で
子供ができる
まえのぼくらのように
家庭を忘れ飛び回っているのだろうか
いえいえ
かれらは巣にのこしてきた
かわいい子供の
えささがし
みていろ
よそみしているそのすきに
急転直下
おとりを持って帰っていくから
──釣りの風景(3)
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[かわばたすすむ(1940〜)]
装丁:相沢育男
菊版変形上製カバー装
78頁
2001.09.07刊行