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元日や目出度顔なる貧乏人
葛菓子をひさぐ吉野の雪解哉
しろき蝶野路にふかるゝ薄暑哉
大阪俳句史研究会の活動の一環として、明治時代に関西俳壇の基礎を築いた作家たちの、明治時代の句業のあらましをまとめて見ることのできる、廉価な本を編もうという話が出てもう三年が経過する。その第一弾として、明治三十年から同三十七年までの作品から自選して収められた松瀬青々句集『妻木』四巻本から五百十句を抄出して編んだのが、この松瀬青々句集『妻木抄』である。
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装丁・君嶋真理子
新書判 ペーパーバックスタイル 104頁
●著者略歴
松瀬 青々
明治2年4月4日大阪市東区大川町五二番屋敷に生まれる。明治28年第一銀行大阪支店に入行。荒木井蛙、渡邊葉齋と句作を試みる。蓼生園中村良顯に和歌を学ぶ。明治30年松山「ほととぎす」の第四号虚子選に二句入選。明治32年7月、ホトトギスの編集係に就くため、第一銀行退社、9月そのために単身上京。明治33年5月、ホトトギス退社。帰阪して大阪朝日新聞社に入社。明治34年3月、青々主宰誌「寳船」創刊。明治37年11月、句集『妻木冬之部』刊。明治45年大阪朝日新聞退社、編輯部嘱託となる。昭和12年1月9日、狭心症にて死去
茨木 和生
「運河」主宰。「晨」「紫薇」同人。俳人協会理事。大阪俳句史研究会代表理事。大阪俳人クラブ副会長。奈良県俳句協会会長。日本文芸家協会会員。句集『往馬』(第四十一回俳人協会賞)、『西の季語物語』(第十一回俳人協会評論賞)など。奈良県在住。