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第35回現代歌人集会賞受賞!
栞・高野公彦 / 大辻隆弘 / 松村正直
驟雨きて驟雨は去りてまだ浅き春の夕暮れ暮れ残りたり
写実を超えた歌、というか、日常の次元に潜む、きらりと光る真実とか美を掬い上げた歌である。(高野公彦)
どこまでもこの低雲は俺のもの小さきボートに一人釣りおり
人生を客観的に見つめる目に裏づけられている。そして、その背後には自足した時間が滔々と流れている。(大辻隆弘)
くまぜみの翅のように世の中を透徹して見られたら嬉しい
世界を見ようとする純粋な若さが「くまぜみの翅」という美しい比喩を用いて詠われており印象的な一首だ。(松村正直)
●著者略歴
永田淳
1973年 滋賀県生まれ
米国滞在時の現地校・日本語学校も含め、小学校は五校、中学校は四校に通った。同志社大学文学部英文学科卒業
歌誌「塔」編集委員