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◆第一句集
自然に親しみ、季題とこころを通わせた句を集めた第一句集。
うさぎ抱く子供に果つる夏休
たまたま見かけた子供が大事そうに兎を抱いていたのであろう。丁度八月の終りで、夏休も終わろうとしていた。その子供の姿に、作者がいかに心を動かされたかがよく分るし、それも「夏休」というかなり難かしい季題がこの句のためにあったかのように働いている。
(序より)
◆自選十句より
菰深く色を満たしぬ寒牡丹
出荷待つ苗木寄せ場に春の雪
紅梅にかかりし月の匂ひけり
桜餅隣合せに娘と住みぬ
茶畑に宰領声をとばしけり
陵の背山より明け小鳥来る
沖荒れて蜩の鳴く誕生寺
灯籠を置きて波なき安房の海
見沼野の水かがやける初つばめ
しぐるるや旅の始の西の京
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[よしいまさえ(1932〜)「俳人協会」「花鳥来」会員 「屋根」同人]
序:深見けん二
跋:斎藤夏風
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
188頁
2007.07.25刊行