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◆ 著者第二句集。英訳付。
第二句集『滑翔』は一九九七年よりの三年間の句をまとめたものです。三章に分れて四季を描くことにしています。石の俳句は古希臘古羅馬の四季を描いて、景の切り方に感動をこめています。芭蕉は絶景は俳句にならないと言いましたが、テクニックを使うことによって成功する場合があります。芭蕉が現代に生きていたら、世界中を放浪して海外旅吟が多かったと想像します。石の俳句は芭蕉の文学理念不易流行をめざすものです。不易とは不変なことであり、流行とは変化のことであり、不易と流行が一句に共存するべきです。著者(あとがきより)
石刻の生贄の儀式草萌ゆる
Carved stone altar
Scene of sacrificial ceremonies:
Now grass sprouts
星凍てし路傍に眠る世を捨てて
Sleeping by the roadside
Under frozen stars:
Abandoning the world
冬鴎の群翔の妙街寂びて
The strangeness of seagulls
Flying gregariously:
Declining town
今生の別れと花下に酒を酌む
The last farewell,
Under the cherry blossoms
Drinking sake
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装 172頁
●著者略歴
1945年11月6日英国に生る。1964年神戸海星女子学院卒。兵庫県知事自治会長賞受賞。1968年聖心女子大英文科卒。奨学金授与さる。1981年ロンドン大学言語学科博士号取得。ヴーズレー奨学金授与さる。1983年「ホトトギス」へ投句。1985年「かつらぎ」初投句巻頭。1994年時の会発足。アーツカウンセルより援助さる。元「耕」同人