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◆第一句集
みずみずしい感覚にあふれた句集。平成7年から18年までの12年間の作品から300句を収める。
「螺鈿めく翅を広げて揚羽蝶」
揚羽蝶を、宝石でも飛んでいるかのようにとらえた。華麗というほかない。
「白鳥を見て来し夜の長湯かな」
美しいものに見とれて、からだが冷えきっていたのだろう。「長湯かな」の満足感。
「変はらざるものは飽きられ水中花」
人生の真理に通じるような句にも、みずみずしい感覚が溢れ、美の追求が読者を楽しませてくれる。
(帯より)
◆帯より
蟷螂の枯れても殺気ありにけり
紫陽花の決めかねてゐる毬の色
寒灯の塊として列車過ぐ
雪吊のゆるぶを遊び心とも
水打つて心の青くなりにけり
白桃に入れてたちまち曇りし刃
はづしたる指輪にぬくみ星月夜
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[やましたゆりこ(1958〜)「狩」同人]
鑑賞八句・序・帯:鷹羽狩行
跋:山口速
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻き
198頁
2007.08.15刊行